資金調達ノウハウ

銀行融資の審査方法の変遷、変化について

2016.03.09

銀行って何を基準に融資の審査をしているか?

 

皆さん、これについてはとても興味があると思いますが、

時代とともに変化している部分もあります。

 

もちろん普遍的な部分もあり、

色々な見方や考え方があると思いますので、

私の意見が絶対的に正しいわけではありません。

これを前提にお読みください。

 

バブル崩壊以降、金融機関(銀行、信用金庫等)の審査方法は

大きく変わった・・・と一般的には言われております。

 

私個人の意見ですが、この変化によって

会計事務所・税理士の存在意義がさらに向上したといえるのではないでしょうか?

(言い過ぎ??)

 

 

さて、とてもシンプルに説明したいと思います。

繰り返しますが、これが絶対的に正しいわけではありません。

 

バブル全盛時代は、まさに不動産担保融資の全盛でした。

これは皆さんも記憶あるのではないでしょうか。

 

何しろ“土地”などの優良不動産等をもっていれば、

容易に資金調達することができました。

 

しかしながらバブルが弾けると・・・、

その後は貸し渋り、貸し剥がしでしたよね?

 

これは皆さんもご記憶にあるのではないでしょうか。

 

その後、アジア通貨危機などもあり、

安定化特別保証制度等などを実施することによって、

ある程度は資金調達環境も安定したと言われています。

(もちろん他の施策なども実際されておりましたよ。)

 

そして、紆余曲折を経て・・・、

ビジネスローンが流行っていましたよね!!

本当にたくさんの企業さんに融資をしていました。

(本当、驚くべき実態でしたよ。)

 

 

そして、金融環境においても、BIS規制や早期是正措置の導入、

金融検査マニュアルの公表等、大きな変化を経て、金融機関の融資審査は、

“決算書中心”に大きく変化した!という見方もあります。

 

この決算書だけで、融資の可否がほぼ決定されてしまう・・・、

審査の基本的な方向性となったと言われています。

 

実際は、決算書だけであらゆる審査が行われているわけではありませんが、

決算書が重要であることに間違いありません。

 

まさに、会計事務所・税理士の協力が必要な時代になったのです。

(と個人的には感じています。)

 

 

さてさて、今現在(平成27年3月時点)はどうでしょうか?

 

もちろん、今でも決算書の審査(定量審査)が重要なポイントです!!

しかしながら、安倍政権になって、「事業性評価」という視点が

取り入れられるようになりました。

 

事業性評価とは、その名称通り、財務など数字だけに頼らず、

事業性を評価することにより判断する・・・というものです。

 

これはとても難しいですよね。

本来はこういう姿勢でいてほしいものですが、

とても難しいと感じます。

 

何も、銀行員のレベルが低いから・・・と言っているわけではありません。

 

これまでの長い歴史で必ず人的保証や物的保証などの

“保全”を前提に事業を行ってきた日本の銀行です・・・。

 

それが、「コンサルティング機能の発揮」や「事業性評価の推進」、

「経営者保証ガイドライン」などと言われても、直ぐに対応するのは難しいです。

 

だけど、企業が成長するには銀行さんなどの力が必要です。

金融機関さん、是非がんばってください!!