資金調達ノウハウ

日本政策金融公庫(国民生活事業)の融資制度(5)「新創業融資制度」

2016.04.11

新創業融資制度・・・、とても有名な創業者向け制度です。

 

新創業融資制度とは、新たに事業を始める方や事業を開始して間もない方むけに、

無担保・無保証人で利用できる有難い制度です。

 

以下、概略になりますので、先ずは確認してください。

 

<制度概要>

対象者

次の1~3のすべての要件に該当する方

 

1.創業の要件

 新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方

 

2.雇用創出、経済活性化、勤務経験または修得技能の要件

 次のいずれかに該当する方。ただし、本制度の貸付金残高が300万円以内(今回のご融資分も含みます。)の女性(女性小口創業特例) については、本要件を満たすものとします。

(1)雇用の創出を伴う事業を始める方

(2)技術やサービス等に工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める方

(3)現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方

 (ア)現在の企業に継続して6年以上お勤めの方

 (イ)現在の企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方

(4)大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方

(5)産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援事業(注1)を受けて事業を始める方

(6)地域創業促進支援事業(注2)による支援を受けて事業を始める方

(7)公庫が参加する地域の創業支援ネットワーク(注3)から支援を受けて事業を始める方

(8)民間金融機関(注4)と公庫による協調融資を受けて事業を始める方

(9)既に事業を始めている場合は、事業開始時に(1)~(8)のいずれかに該当した方

 

3.自己資金の要件

 事業開始前、または事業開始後で税務申告を終えていない場合は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(注5)を確認できる方。(注6)ただし、以下の要件に該当する場合は、自己資金要件を満たすものとします。

(1)前2(3)~(8)に該当する方

(2)新商品の開発・生産、新しいサービスの開発・提供等、新規性が認められる方

 (ア)技術・ノウハウ等に新規性が見られる方(注7)

 (イ)経営革新計画の承認、新連携計画、農商工等連携事業計画又は地域産業資源活用事業計画の認定を受けている方  (ウ)新商品・新役務の事業化に向けた研究・開発、試作販売を実施するため、商品の生産や役務の提供に6ヵ月以上を要し、かつ3事業年度以内に収支の黒字化が見込める方

(3)中小企業の会計に関する指針または基本要領の適用予定の方

資金使途 事業計画の実施のために必要とする設備資金及び運転資金
融資限度額 3,000万円(うち運転資金1,500万円)
返済期間 各種融資制度で定めるご返済期間以内
利率

・日本公庫のHPにて確認してください。

(※平成28年4月現在の融資期間18年以内の基準金利は「2.40%」です。)

保証人・担保 原則不要

※原則、無担保無保証人の融資制度であり、代表者個人には責任が及ばないものとなっております。法人のお客さまがご希望される場合は、代表者(注)が連帯保証人となることも可能です。その場合は利率が0.1%低減されます。
(注)実質的な経営者である方や共同経営者である方を含みます。

※平成28年4月現在の概要になります。

 直近の概要は日本公庫HPにてご確認くださいませ。

 

 

さて、これを見てパッと理解できますか?

ちょっと難しいでしょう。

 

よって、ポイントを赤字の下線部分に絞りました。

この箇所を簡潔に解説していきます。

 

 

<ポイント1>

先ずは、「新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方」

という箇所ですが、この文章の通りです。

 

完全な開業前、又は、2期の申告を終えていない方です。

つまり、2期の申告を終えてしまった方は対象となりません。

 

また、開業前と開業後では、やはり「開業前」の方が有利かもしれませんよ!!

開業後に資金繰りが悪くなって、この制度に申請しても、

それは既に失敗した?ビジネスモデルです。

そのビジネスに融資をしてもらうのは困難です。

 

しかしながら、絶対に無理だ!と言っているわけではありません。

当然、開業後に想像以上に上手くいって、運転資金が必要だというケースだってあるでしょう!!

 

 

<ポイント2>

「本制度の貸付金残高が300万円以内(今回のご融資分も含みます。)

の女性(女性小口創業特例) については、本要件を満たす」についてですが、

この箇所では、「雇用創出、経済活性化、勤務経験または修得技能の要件」について

かかれており、「次のいずれかに該当する方」として、(1)~(9)のことが

書かれております。これについては、各自読んでみて下さい。

 

さて、「本制度の貸付金残高が300万円以内(今回のご融資分も含みます。)

の女性(女性小口創業特例) については、本要件を満たす」とは、

いったいどういうことか??

 

つまり、300万円以内で女性の場合は、

「雇用創出、経済活性化、勤務経験または修得技能の要件」については、

関係ありません!!ということです。

 

いかに女性が優遇されているか、わかりますよね!!

それだけ、現政府が女性を重視しているのがよくわかります。

是非、女性起業家には頑張ってほしいと思っています。

 

 

<ポイント3>

「創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方」についてですが、

創業するのに1,000万円必要である、という場合、その1/10である

「100万円」以上は、自己資金で確認できることが必要である、という意味です。

 

300万円の開業資金が必要な場合は、その1/10である「30万円」ということになります。

 

本制度が始まった当初は、「1/2」要件でした。

その後「1/3」要件に緩和されました。

 

そして、安倍政権になって、「1/10」まで大幅緩和されました。

 

だからと言って、1/10だけあればOKなのか?というと

実務的にはそういうわけではありません。

 

できれば1/3は準備して下さい。

理想をいえば、やはり1/2です!!

 

1/10の大幅緩和については、門前払いをなくすための目的もあったでしょう。

1/3に届かない起業家で新創業融資の申請が出来ない人をなくすための方策の

一つである、という見方もあながち間違っていないと思います!!

 

<参考>

なお、本文の(注)については、以下の通りです。

今回は以下の解説は省略させて頂きます。

 

(注1)市町村が作成し、国が認定した創業支援事業計画に記載された特定創業支援事業をいいます。詳しくは中小企業庁ホームページをご覧ください。

(注2)詳しくは、地域創業促進支援事業管理事務局(株式会社パソナ)ホームページまたは創業スクールホームページをご覧ください。

(注3)詳しくは、支店の窓口までお問い合わせください。

(注4)都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫または信用組合をいいます。

(注5)事業に使用される予定のない資金は、本要件における自己資金には含みません。

(注6)女性小口創業特例に該当する方も、自己資金要件を満たすことは必要です。

(注7)一定の要件を満たす必要があります。詳しくは、支店の窓口までお問い合わせください。

 

 

<ポイント4>

融資限度額は「3,000万円」となっています。

凄くないですかー!!

 

無担保・無保証人で「3,000万円」ですよ。

しかも自己資金は1/10でよいのです。

 

まるで夢のような制度ですね。

 

だけど、「安心してください!!」、「無理ですよ!!」

 

正直言いまして、日本公庫はそんなお人よしではありません。

3,000万円なんて資金を簡単には貸してくれません。

 

もし可能性があるとしたら「開業医」くらいだと想像いたします。

 

 

<ポイント5>

本制度は「無担保・無保証人」であるということ。

これが如何に、有難い制度であるか、分かりますよね。

 

事業に失敗して返済できなくなっても、お咎めなしです!!

 

そんなことが許されるのでしょうか??

だけど、この制度に限っては許されることになります。

 

だから、簡単に3,000万円なんて融資はしません。

 

 

新創業融資制度は、小口であればあるほど借りやすいと思います。

(300万円~500万円程度か?)

 

もう少し上のラインだとしても、

実務上は1,500万円以内が現実だと感じています。

(できれば1,000万円以内の方が現実的か?)

 

当然ですが、300万円であろうと、3,000万円であろうと、

しっかりとした事業計画を作成してくださいね!!

日本政策金融公庫(国民生活事業)の融資制度(4)「経営力強化資金」

2016.04.08

今回は、「中小企業経営力強化資金」について解説いたします。

 

この制度は、「認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けている方」

を対象とした制度です。

 

いわゆる「認定支援機関」と言われる税理士さんや士業の先生などからの

アドバイスを受けながら申請するものです。

 

そういう意味では、優遇されている制度とも言えます。

他の制度よりかは、融資審査が甘いのでは?とも言われています。

(この点の詳細については、微妙なのでブログでのコメントは控えさせて頂きます。)

 

 

以下、概略になりますので、確認してください。

 

<制度概要>

対象者

次のすべてに当てはまる方

 

  • 1.経営革新又は異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む。)を行おうとする方
  •  
  • 2.自ら事業計画の策定を行い、中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律に定める認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けている方
資金使途 事業計画の実施のために必要とする設備資金及び運転資金
融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間

運転資金

7年以内
<据置期間2年以内>

設備資金

20年以内
<据置期間2年以内>

利率

・基準利率

・女性または30歳未満か55歳以上の方で、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方[特利A]

保証人・担保 日本公庫HPによると「お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます。」と書かれています。

※平成28年4月現在の概要になります。

 直近の概要は日本公庫HPにてご確認くださいませ。

 

 

 

本制度は、融資限度額のうち2,000万円までは、

無担保・無保証人での利用が可能となっています。

 

その場合の金利は、平成28年4月時点においては、

融資期間18年以内までの基準金利が1.85%です。

 

しかしながら、「女性または30歳未満か55歳以上の方で、

新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方」は、

特利Aとなっています。

 

現在の特利Aは、融資期間18年以内までの基準金利が1.45%です。

 

 

また、創業の場合は、現在のところ「創業支援貸付利率特例」

という制度がありまして、各融資制度に定める利率「-0.2%」、
ただし、女性または30歳未満の方及びUターン等により地方で創業する方は

各融資制度に定める利率「-0.3%」となっています。

 

注目して欲しい箇所はココです。

「女性または30歳未満の方及びUターン等により地方で創業する方」

の場合は、最大、さらに0.3%軽減されます。

 

つまり、1.15%まで下がる可能性がある!ということです。

 

(※女性起業に対する支援は厚い!!)

 

 

この「創業支援貸付利率特例制度」ですが、

今現在のところ、以下の各種融資制度を利用する場合に

取り扱いが可能だそうです。

 

・東日本大震災復興特別貸付

・新規開業資金

・女性、若者/シニア起業家資金

・再チャレンジ支援融資(再挑戦支援資金)

・新事業活動促進資金

・中小企業経営力強化資金

・食品貸付

・生活衛生貸付(一般貸付、振興事業貸付及び生活衛生新企業育成資金に限ります。)

・普通貸付

・企業活力強化資金

・IT資金

・海外展開・事業再編資金

・事業承継・集約・活性化支援資金

・地域活性化・雇用促進資金

・ソーシャルビジネス支援資金

・環境・エネルギー対策資金

・社会環境対応施設整備資金

・企業再建資金(第二会社方式再建関連に限ります。)

 

以上です。

 

 

 

 

経営力強化資金ですが、如何ですか??

決して悪くないと思います!!

 

どうせ税理士さんと顧問契約するのなら、開業時に本制度を使って

融資を受けるのはとても有利だと思います。

 

ただし、認定支援機関に登録している「税理士」さんでないと駄目です!!

 

また、企業さんで、この制度を活用したい場合は、

先ずは、顧問税理士さんが認定支援機関として登録しているかどうか、

是非ご確認ください。

 

もし、認定支援機関でない場合は、他の士業で認定支援機関の先生に

ご依頼するなど、ちょっと工夫が必要になります。

 

中小企業経営力強化資金・・・、是非、お勧めします。

日本政策金融公庫(国民生活事業)の融資制度(3)「マル経」

2016.04.06

マル経とは、正式には「小規模事業者経営改善資金」といいます。

(決して、マルクス経済学のことではありません!!)

 

商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者が、

経営改善に必要な資金を無担保・無保証人で利用できる制度です。

 

昔は、無担保・無保証といえば、この「マル経」でした。

その以前は、創業者を対象として「新経」という無担保無保証人の制度もあったくらいです。

(懐かしい~。)

 

 

 

それでは、なぜ、「マル」なのか??

正直言いまして、私もよく知りません・・・。

 

恐らく、警察などが使う「マル暴」、「マル被、「マル害」

などと同じ使い方なのでしょうか?

 

分かりやすく、経営の「経」を○で囲って使っていたのでしょうか?

 

銀行さんは、信用保証付き融資のことを「マル保」と言いますものね。

 

 

以下、概略になりますので、確認してください。

 

<制度概要>

資金使途 運転資金 設備資金
融資限度額 2,000万円
返済期間

7年以内
<据置期間1年以内>

10年以内
<据置期間2年以内>
利率 特利F(1.15)
保証人・担保

※平成28年4月現在の概要になります。

 直近の概要は日本公庫HPにてご確認くださいませ。

 

 

対象は、以下のすべての要件を満たす方とされています。

  • ・従業員20人以下(宿泊業と娯楽業を除く商業・サービス業は5人以下)の法人・個人事業主
  • ・商工会議等の経営・金融指導を受けて事業改善に取り組んでいる(6ヶ月?)
  • ・最近1年以上、同一会議所等の地区内で事業を行っている
  • ・商工業者であり、日本政策金融公庫の融資対象業種を営んでいる
  • ・税金(所得税、法人税、事業税、住民税)を完納している
  •  など。

 

 

このマル経でやっかいなのは、「商工会等の経営指導を(6ヶ月)受けていること」

という要件ですが、これは、実務においては曖昧です。

 

これまで、「情報通信技術を活用して財務会計の透明化を図っているなど、

経営指導員が随時財務状況を確認できる小規模事業者の場合は指導期間を

短縮することができる」とも言われていました。

 

こういう条件が明確にパンフやHPなどに掲載されていることもあったのですが、

最近、これらの条件は聞かなくなりましたね。

 

具体的に説明しますと、たとえば、商工会が記帳指導において自計化

を指導していたり、また、実態把握を十分行うため密度の濃い経営指導

を複数回にわたり実施した場合など・・・です。

 

 

さて、このマル経を申請したいと思ったら、どうすればよいのでしょうか・・・。

 

やはり、原則として会員になる必要がありますが、

これが絶対的な条件ではありません!!

 

今回、解説した内容いついては、

各窓口や地域によって多少の温度差があると感じています。

 

マル経を利用したと思った時は、

最寄りの商工会等に融資が受けられるかどうかの判断を聞いてみて下さい。

 

先ずは相談してみましょう!

日本政策金融公庫(国民生活事業)の融資制度(2)「特別貸付」

2016.04.01

日本政策金融公庫では、「普通貸付」以外にも、

「特別貸付」という制度があります。

 

特別貸付とは、簡単に説明しますと、特定の政策目的に沿って設けられており、

例えば、厳しい経営環境にある零細・中小事業者のために、経営の安定を支援することを

目的とした「セーフティネット貸付」など、経済対策による融資制度があります。

 

「セーフティネット貸付」はとても有名ですので、

きっとご存知の方も多いと思います。

 

 

<セーフティネット貸付の概要>

 

(1)経営環境変化対応資金

 ・売上が減少するなど業況が悪化している方

 ・4,800万円

 ・設備資金:15年以内(3年以内)

 ・運転資金: 8年以内(3年以内)

 

(2)金融環境変化対応資金

 ・取引金融機関の経営破たんなどにより、資金繰りに困難を来している方

 ・別枠4,000万円 設備資金:15年以内(3年以内)

 ・運転資金: 8年以内(3年以内)

 

(3)取引企業倒産対応資金

 ・取引企業などの倒産により経営に困難を来している方

 ・別枠3,000万円 運転資金: 8年以内(3年以内)

 

 

また、セーフティネット貸付以外に、

日本政策金融公庫(国民生活事業)の特別貸付には

どのような制度があるかご存知ですか・・・?

 

全てをここに掲載するのは、無理がありますので、

「融資制度一覧から探す 日本政策金融公庫」で検索してみてください。

日本公庫のHPにアクセスできます。

 

本当にたくさんの融資制度がありますので、

先ずは見てみて下さい。

 

日本政策金融公庫の特別貸付の一覧を見ると分かりますが、

創業者向けの融資制度も“特別貸付”になりますよね!

 

先ほど概要説明したセーフティネット貸付には、三種類があります(平成28年4月現在)。

経済不況などの時は、政府の経済対策等に基づいて財源が確保され、

制度の拡充が行われたりしますので必ず内容を確認するようにしてください。

 

実際に、平成20年秋に発生した世界金融危機以降、

政府の経済対策に応じて何度となく拡充が行われています。

 

東日本大震災に際しても同様です。

様々な拡充が行われています。

 

一例ですが、そういう際には、一旦、公庫から融資を断られたとしても、

その後、セーフティネット貸付制度の拡充(条件緩和、融資限度額の増額、

返済期間の延長、金利引き下げ等)が行われることによって、

融資を受けることができるかもしれませんよ・・・。

 

意外と、そういう単純なことで融資を受けることができるようになる、

という事例は多々あります。

 

制度の拡充等が実施されたことを知っているかどうかだけで、

企業の命運を左右するかもしれません。

 

つまり、「知っているか、知らないか!」だけのことです。

 

とても重要なことですので、

しっかりと情報収集して欲しいと思います。

 

日本政策金融公庫(国民生活事業)の融資制度(1)「普通貸付」

2016.03.24

普通貸付とは、最もベースとなる貸付制度です。

 

日本公庫のHPには以下のようなことが書かれています。

 

ほとんどの業種の中小企業の方にご利用いただけます

(金融業、投機的事業、一部の遊興娯楽業等の業種の方はご利用になれません)。

 

この内容はとても重要です。

もう一度繰り返します。

 

ほとんどの業種の中小企業の方にご利用いただけます

(金融業、投機的事業、一部の遊興娯楽業等の業種の方はご利用になれません)。

 

 

つまり、金融業、投機的事業、一部の遊興娯楽業等の業種の方は利用できない!

ということです。

 

そんなこと、子供だって分かりますよね?

バカにするなー!と叱られそうですが、

つまり、これらの業種の方は申請しても困難である、

ということです。

 

専門家でもこれをうっかりして、

大きな間違いをしてしまうことがあるようです!

 

そもそも、こういうことを知らない「専門家」もいます。

本当、危なっかしい・・・と思います。

 

 

それでは、制度の概要について解説しましょう。

 

<制度概要>

資金使途 運転資金 設備資金 特定設備資金
融資限度額 4,800万円 7,200万円
返済期間

5年以内(特に必要な場合

7年以内)
<据置期間1年以内>

10年以内
<据置期間2年以内>
20年以内
<据置期間2年以内>
利率

基準金利

使いみち、返済期間または担保の有無によって異なる利率が適用されます。

保証人・担保

公庫HPには、「ご希望を伺いながらご相談させ頂きます」

と書かれています。

 

 

ここに書かれている特定設備資金ですが、

国民金融公庫、及び国民生活金融公庫の時代には、

確か説明が書かれていたと思うのですが、現在はありませんね。

 

特定設備資金とは、一般的には以下のような内容になります。

 

1.技術革新、需要構造の変化などに伴い取扱商品を変更したり、

  現在の業種を変更する場合に必要な設備資金
2.大型店の進出により影響を受け、もしくは影響を受けるおそれがあり、

  又は公害を発生し、もしくは発生するおそれがあり、

  このため事業所を移転するのに必要な資金
3.公共施設の移転又は設置に伴い経営環境に変化を受け、

  又は受けるおそれがあり、このため事業所を移転するのに必要な資金
4.店舗、工場等の立退や買取を求められているなどの外部要因により、

  不動産を取得する資金。

 

 

繰り返しになりますが、これが最も基本となる制度です。

 

既に開業されている事業者は、基本的には、

この制度を利用できるかどうかの判断になります。

 

もちろん他の制度もありますので、考え方としては、

これを基本として、他の制度(特別貸付)の利用を並行して

検討していきましょう!!

 

最近の傾向としては、経営力強化資金の人気があります。

顧問税理士さんが認定支援機関の場合は、これをお勧めします。

 

 

ちなみに、中小企業施策総覧においては、

国民生活事業には、「普通貸付」と「生活衛生資金貸付」に分かれており、

「普通貸付」は、さらに、「一般貸付」、「特別貸付」、「マル経」、

「記名国債担保貸付」に分かれています。

 

これについては、あまり深く考え込む必要はないかもしれませんね。

事例から分かる情報収集の重要性!!

2016.03.16

以下のブログ記事を読んでいない方は、先ずはお読みください。

 

資金調達に関する「6つ」の情報収集方法について(2016.03.15)

 

 

さて、今回は、どうして情報収集が大切なのか?

ということについて、事例を参考にしながらお話しさせて頂きます。

 

これはよくセミナー等でお話しする典型的な事例なのですが、

平成21年1月頃のことです。このような相談がありました。

 

 

「5ヶ月前に公庫に融資を断られました。何とかがんばってきたのですが、もう資金ショートしそうです。公庫に断られているので後がないと思いますが、もうどうしようもないのでしょうか?」

 

 

その当時は、世界金融危機・不況により日本の経済も急激に後退し始めた頃です。

 

実をいうと、その5ヵ月の間に、日本政策金融公庫の融資は格段に強化されていました。

特に「セーフティネット貸付」を強化してきました。

 

しかしながら、当然ですが、社長さんはそんなこと知りませんよね。

 

そこで、私は、どんなアドバイスをしたのか??

皆さんならどうアドバイスをしますか??

ちょっと考えてみて下さい。

 

 

 

 

 

 

 

<検討中>

 

 

 

 

 

 

 

アドバイスの概要は、以下の通りです。

 

 

「5ヵ月前とは公庫の対応は全く異なります。

実際にこの不況の影響を強く受けているのだから、

もう一度、改善計画をしっかりと作成して申請してみてください」。

 

 

実は、たったこれだけです。

 

さすがに実際のところはもっと細かくアドバイスしておりますが、

要は、これだけのことなのです。

 

その結果は??

 

「600万円」の資金調達に成功いたしました。

 

要は、政府の中小企業金融対策に関する最新情報について

“知っているかどうか”だけのことなのです。

 

いくらノウハウや知識を持っていても、

最新情報を知らないと損をすることだって有り得ます。

 

これは「いかに“情報”が大切であるか!」という典型的なケーススタディです。

“知っているだけ”で救われる中小企業もあるのです。

 

もちろん、情報収集だけしていればOKということではありません。

 

あくまでも情報収集“も”重要な要素の一つである、

ということを言っているに過ぎません。

資金調達に関する「6つ」の情報収集方法について

2016.03.15

資金調達に関する情報収集って結構大変ですよ。

 

不況の時代においては、政府が様々な中小企業施策を実施します。

今現在の安倍政権もたくさんの施策を実施しております。

 

しかしながら、多くの中小事業者は、こういう情報を収集する術を知りませんし、

また、本業で忙しくて、それどころではないでしょう。

 

もうこれはしょうがないことです!!

簡単に情報収集の仕方いついてお話しさせて頂きます。

 

この6つの方法で情報収集しましょう!

 

第一に、やはり「新聞」関連ですね。

 

特に「日本経済新聞」、「フジサンケイビジネスアイ」などをお勧めします。

ネットでも見れますよね。

 

第二に、「専門誌」や「専門書」です。

 

中小企業向けの専門誌などに、

最新の資金調達に関する情報が掲載されている場合があります。

ただ、ちょっと情報が遅いかもしれません。

 

第三に、「テレビ」です。

 

意外でしょうか?!

たとえば総理大臣の経済対策等に関する記者会見などは要注意なのですよ。

 

それと、テレビのキャスターやゲストコメンテーターの言っていることについては、

少々、客観性に欠けているケースが多々あるように感じています。

 

第四に、「経済産業省、経済産業局、中小企業庁、日本政策金融公庫、

信用保証協会、地元自治体関連機関」などのHPです。

 

定期的に見てくださいー!!

 

第五に、「資金調達の専門家のメールマガジン、ブログ、SNS」などです。

 

ちなみに私も配信しておりますよ。

 

・現場叩き上げコンサルタントの資金調達ノウハウ!

http://www.mag2.com/m/0000124162.html 

(※「まぐまぐ!」より配信:http://www.mag2.com

 

 

第六に、「専門家とのネットワークの構築」です。

 

個人的にそういう専門家と提携して情報収集するか、

または専門家が主催している勉強会などに参加することによって、

情報収集は可能だと思います。

 

私の宣伝のようになって申し訳ありませんが、

以下のような勉強会組織もあります。

 

・資金調達サポート会

 http://www.fa-ps.com/ 

 

タイムリーに資金調達や施策に関する情報を入手することは

とても大切なのです!!

 

その重要性については、また別の機会にお話しさせて頂きますが、

先ずは、しっかりと情報収集していきましょうね。

法律承認とは?経営革新計画と新連携・・・どういう効果があるのか?

2016.03.14

法律の承認・・・。

 

知らない方は知らないと思われますが、

知っている方からすると当然のように知っている施策です。

 

平成17年度より、「新事業促進法」、「中小企業創造活動促進法」、

「中小企業経営革新支援法」の3法は一つの法律に統合されました。

 

それが、現在、中小企業の支援法としては、

有名な「中小企業新事業活動促進法」です。

 

特に、中小企業新事業活動促進法の「経営革新計画」はとても有名です。

 

 

少々、話が逸れますが、私が起業した当時(1998年頃?)は、

「新規事業法」、「中小企業新分野進出等円滑化法」、

「中小企業創造活動促進法」などが中心でした。

 

本当に支援法が多くて、経営者からすると分かりにくかったと思いますよ。

 

今現在は、「中小企業新事業活動促進法」が中心的な支援法ですので、

経営者にとっては、とても分かりやすいと感じています。

 

 

さて、この「中小企業新事業活動促進法」は、

中小企業の経営の向上を図る経営革新への取組を支援するもので、

窓口は、各都道府県になります。

 

この経営革新計画の承認を受けると支援策を受けるチャンスが出てきます!

 

どんな支援策があるかと言いますと、たとえば、東京都の場合は以下の通りです。

 

  1. ・政府系金融機関による低利融資制度
  2. ・中小企業信用保険法の特例
  3. ・中小企業投資育成株式会社法の特例
  4. ・企業支援ファンドからの投資
  5. ・特許関係料金減免制度
  6. ・海外展開事業者への支援制度
  7. ・東京都制度融資(産業力強化融資)
  8. ・市場開拓助成事業

 

 

資金調達の視点からは、「政府系金融機関からの低利融資」、

「中小企業信用保険(別枠付保)」、「中小企業投資育成株式会社法の特例」、

「補助事業」などによる支援をしています。

 

資金繰りに苦慮している中小事業者が、この経営革新に一途の望みを託して

承認申請するケースが非常に多いようですが、本来の主旨ではありません!

 

 

また、異業種との連携によって、あらたなビジネスを開拓している事業者なら

「新連携」という承認を検討してみてもいいでしょう。

 

この新連携とは、中小企業が他の中小・中堅・大企業、大学・研究機関、

NPO等と連携し、それぞれの「強み」を生かし、高付加価値の製品・

サービスを創出する新たな事業(新連携)を支援するというものです。

 

当然ですが、この「新連携」にも経営革新計画と同じような支援制度が用意されています。

 

経営革新計画と比較すると、承認を受けるまでの道のりは長いですが、

承認の重みが違うかもしれませんね!

意外と知らないかも。ノンバンクの定義って・・・ご存知ですか?

2016.03.11

世の中には、ノンバンクを勘違いしてる人が多いと感じています。

 

ノンバンクを「悪徳金融」や「闇金」と同じような感覚で理解している人も少なくありません。

 

確かに「悪徳金融」や「闇金」は、“バンクでない”という意味では、

同じかもしれませんが、同じには捉えないで欲しいと思います。

 

実は、これは経営者にとって、

とてももったいないことなんですよ。

 

だって、「悪徳金融」や「闇金」と同じようなものと

理解している人にとっては、自ら“ノンバンク”を否定しているようなものです。

 

ノンバンクは利用の仕方さえ、間違わなければ、

とても有難い金融会社です。

 

実際、多くの企業さんが救われていますよ!

 

 

基本に戻って、ノンバンクの定義について解説させて頂きます。

 

ノンバンクとは、預金業務や為替業務を行わずに

融資業務などを行っている会社をいいます。

 

例えば、分かりやすくいいますと、

消費者金融会社や信販会社、クレジットカード会社などが、

一般に「ノンバンク」と呼ばれています。

 

結構、身近ではないですか?

既に皆さん利用されていると思います。

 

ノンバンクに対して、「銀行」は、原則として預金によって得た資金で

企業や個人に融資を行っていますよね。

 

「ノンバンク」は「銀行」等から借り入れた資金を融資の原資としており、

個人向けには無担保で融資を行うことが中心的な業務になっています。

 

確かに、このノンバンクの定義は、正式には違うのかもしれませんが、

主旨について理解して頂ければと思います!!

 

 

さて、現在、ノンバンク業界の業績は急速に悪化しています。

 

その理由としては、貸金業法の改正です。

平成18年12月に、国会で全会一致で可決・成立し、

平成22年6月18日に、完全施行されました。

 

これがきっかけとなって、多くのノンバンクが倒産したり、

撤退したり、業務縮小に追い込まれました。

(もちろんこれだけが原因の全てではないと思いますが!)

 

よって、一時期のような無担保ローンは、事実上、ほとんど行われていません。

 

ノンバンク融資の概要については、それぞれの会社によって異なりますが、

現在のところ、大手ノンバンクで稼動しているのは、「売掛債権担保融資」、

「不動産担保融資」くらいです。よって、有担保型の融資が中心になります。

 

それと、「ファクタリング」についても是非、知っておいてください。

いずれ、このブログでも取り上げてみますね。

補助金・助成金とは??先ずはこの二つのポイントを知ろう!

2016.03.10

補助金、助成金という言葉を知らない人はいないと思います。

 

その他、奨励金、給付金などというものもありますが、

基本的には全て同じものと考えてくださって結構だと思います。

 

つまり、国や地方自治体などから支給されている“返済不要のお金”のことです。

 

補助金・助成金制度を実施している省庁には、

厚生労働省・経済産業省・総務省・・・などがありますが、

ほかにも各省庁の下部機構、周辺組織、独李行政法人、

都道府県や政令指定都市など地方自治体独自の制度もあります。

 

なお、「補助金」という名称がつくのは「経産省系」、

「助成金」は「厚労省系」と主張している専門家もいらっしゃいますが、

経産省系の制度にも「助成金」という名称のものはあります。

 

さて、補助金・助成金は大きく二つの種類に分かれます。

既にこちらのページで解説していますので、復習になりますね。

この補助金・助成金は、既に説明したように、

一般的には次のように大きく2つに分かれます。あらためて確認しておきましょう。

1.人材等に関する補助金・助成金(厚生労働省等)
2.技術・研究開発に関する補助金・助成金(経済産業省等)
 
これら以外にも、総務省、文部科学賞、農林水産省、

環境省など各省庁が様々な補助金・助成金制度を実施していますので、

一度、HPなどで確認してみてくだっさい。

 

 

ここで、補助金、助成金の原理原則論についてお話しいたします。

 

(1)補助金・助成金は“後払い”である!

 

補助金・助成金は、採択されたからといって、

すぐには入金されるわけではありません。

 

意外とこれを勘違いされている経営者の方はいらっしゃいます。

 

制度にもよりますが、原則として、自社で支出した経費に対して、

後ほど(およそ半年~1年後)補助・助成されます。

原則、“先払い”ではなく“後払い”ということですね。

 

但し、稀に、一部概算請求などができる“先払い”の制度もありますので、

是非、募集要項などをチェックしてください。

 

(2)補助金・助成金は、事業資金全額を助成してくれるわけではない!

 

補助金、助成金は、必要事業資金の全額を補助・助成してくれるわけではありません。

各補助金・助成金には、「助成限度額」と「助成率」が定められています。

 

例えば、「助成限度額」が500万円、「助成率」が1/2という制度があったとしましょう。

 

必要資金が800万円の事業の場合、その1/2の「400万円」を限度として助成してくれます。

また、必要資金が2,000万円の事業の場合、その1/2は「1,000万円」ですが、

500万円が限度額ですので、「500万円」が助成されます。

 

但し、“委託事業”のように必要事業額に対して全額支給する制度もありますので、

制度内容をしっかりと見極めてください。

 

私の経験ですが、委託事業を受けた社長さんから聞く限り、

結構大変なのだそうです(苦笑)。